不動産売却時に必要な書類は?段階別の必要書類・入手方法を解説

不動産売却の際に気を付けたいのが、「準備すべき書類が多い」ことです。マイホームなど、不動産を手放すことを考え始めたら、早い段階から少しずつ準備していきましょう。直前になって慌てていては、まとまる話もまとまらなくなるかもしれません。そこで今回の記事では、不動産売却の際に必要になる書類について、査定から事後の確定申告までステップに分けたうえで解説します。チェックリストも掲載したのでぜひ参考にしてください。

目次

不動産売却時の必要書類チェックリスト

不動産売却時に必要になる書類のチェックリストをまとめたので、参考にしてください。

必要なタイミング必要書類戸建てマンション土地
査定時登記簿謄本(登記事項証明書
測量図
建物に関する図面
媒介契約時印鑑
本人確認ができるもの
住宅ローンの返済予定表
登記済証(権利証)または登記識別情報
間取り図
測量図面
購入時の売買契約書・重要事項説明書
購入時のパンフレット
売買契約時本人確認書類
実印
印鑑証明書
登記済権利証・登記識別情報
建築確認済証・検査済証
固定資産税納税通知書・固定資産税評価証明書
建物図面・間取り図
土地測量図・境界確認書
管理規約、議事録、長期修繕計画書
付帯設備表
耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書
売買契約書
物件状況等報告書
購入時のパンフレットなど
住宅ローンの返済予定表
引き渡し時住民票
抵当権等抹消書類
銀行口座の通帳など
確定申告時確定申告書
登記事項証明書
売買契約書のコピー
譲渡所得の内訳
譲渡のために直接要した費用の領収書
特例の利用時譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】
戸籍の附票(今までの住所が記載されている)の写し
登記事項証明書
売買契約書コピー(購入時と売却時)
費用の領収書(購入時と売却時)
買い換えた資産に関する書類(取得の日以前25年以内に建築されたものであることを明らかにする書類、または耐震基準適合証明書など)

不動産売却における査定時に必要な書類

不動産を売却する場合、最初に査定を受けなくてはいけません。その時に必要となる書類をまとめました。

必要書類概要入手方法
登記簿謄本(登記事項証明書)所有権や抵当権など、不動産の権利関係などが記載されている法的な書類のこと。法務局の窓口もしくはインターネットを通じて申請する
測量図土地の面積、形状、境界線の位置について記載されている法的な書類のこと。法務局の窓口もしくはインターネットを通じて申請する
建物に関する図面建物の形状、敷地との位置関係、物件の間取りや配管について記載されている書類。法務局の窓口もしくはインターネットを通じて申請する。マンションの場合は購入時のパンフレットなどに間取り図が記載されているのでそれを使っても良い。

不動産会社との媒介契約時に必要な書類

不動産会社との媒介契約時に必要になる書類は以下のとおりです。

必要書類概要入手方法
印鑑認印で構わないが、ゴム印(シャチハタなど)は不可各自持参
本人確認ができるものマイナンバーカードや運転免許証などが該当。契約者の身分確認のために用いる各自持参
住宅ローンの返済予定表残高がわかるものであれば良い。家の売出価格を決める際の参考になる各自持参。手元にない場合は金融機関に問い合わせる
登記済証(権利証)または登記識別情報法律上の所有者が誰であるかを法的に証明するための書類各自持参。手元にない場合は不動産会社に相談する
間取り図販売図面を作る際の参考にする。建築時の図面もしくは図面集を持参すること各自持参。手元にない場合は不動産会社に相談する
測量図面一戸建ての場合に必要。隣地との境界確認が取れていない場合は測量士による境界確定を依頼する必要がある各自持参。手元にない場合は不動産会社に相談する
購入時の売買契約書・重要事項説明書不動産会社が契約資料を作成する際の参考資料として使う各自持参。用意できない場合はその旨を不動産会社に伝える
購入時のパンフレット不動産会社が契約資料を作成する際の参考資料として使う各自持参。用意できない場合はその旨を不動産会社に伝える。

不動産の売買契約時に必要な書類

不動産の売買契約時に必要となる書類は以下のとおりです。

必要書類概要入手方法
本人確認書類運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真つきのもの。所有者が複数いる場合は全員分用意する必要がある各自持参
実印市区町村役場で印鑑登録した印鑑を用意する。所有者が複数いる場合は全員分用意する必要がある各自持参
印鑑証明書実印が本人のものであることを公に証明するための書類市区町村役場の窓口もしくはコンビニで取得する
登記済権利証・登記識別情報所有者が登記名義人であることを法的に書類するための書類各自持参。紛失している場合は不動産会社を通じて司法書士に相談
建築確認済証・検査済証一戸建て、マンションなどの物件が建築基準法による基準をクリアしていることを法的に証明するための書類各自持参。紛失している場合は不動産会社に相談
固定資産税納税通知書・固定資産税評価証明書固定資産税の納税額や評価額が記載されている書類。買主への説明や未経過分の固定資産税を精算するために使う各自持参。紛失した場合は市区町村役場で取得するか、不動産会社に相談する
建物図面・間取り図不動産会社がレインズ(指定流通機構)に物件情報を掲載したり、宣伝資料を作ったりするために使う各自持参。紛失した場合は不動産会社に相談する
土地測量図・境界確認書土地の面積や境界線の位置を示した書類各自持参。紛失した場合、存在しない場合、3年以上前の測量に基づいたものであった場合は不動産会社に相談する
管理規約、議事録、長期修繕計画書物件がマンションの場合に必要。各自持参。紛失した場合は管理組合、管理会社に問い合わせる
付帯設備表物件内にどのような設備があるか一覧にしたもの。任意ではあるが、用意できれば買主への情報提供につながる各自作成。作り方がわからない場合は不動産会社に相談する
耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書住宅の耐震性、アスベストの使用の有無を証明する各自持参。用意できる場合のみで良い
売買契約書売買契約を取り交わすために使う不動産会社が作成。サインする前に熟読し、疑問点を解決しておくこと
物件状況等報告書売却する物件の現在の状態を説明するための書類各自作成。作り方が分からない場合は不動産会社に相談する
購入時のパンフレットなど物件の構造や築年数などの概要、設備の詳細や間取りが記載されているので、宣伝資料作成の際に参考になる。また、売主が決まったら一緒に引き渡す各自持参。紛失した場合は、施工会社や管理会社に問い合わせて入手
住宅ローンの返済予定表住宅ローンが残った状態で売却する場合に用意各自持参。手元にない場合は金融機関に要問合せ

不動産の引き渡し時に必要な書類

不動産を引き渡す際に必要になる書類は以下のとおりです。

必要書類概要入手方法
住民票「その住所の場所に実際に住んでいる」ことを証明するための公的な書類。登記簿に記載されている住所と実際の住所が異なる場合に用意市区町村役場の窓口かコンビニで入手
一戸建て、マンションの場合に必要。スペアキーを作っていた場合はそれも渡す。宅配ボックスやポストに暗証番号を設定した場合も同様に伝える各自持参。紛失している場合は事前に不動産会社に相談すること
抵当権等抹消書類決済時に抵当権の抹消を行うための書類金融機関に相談
銀行口座の通帳など手付金を除いた残りの売買代金を受け取るなど、金銭のやり取りのために使う各自持参

不動産売却後の確定申告に必要な書類

家を売って利益が出た、つまり譲渡所得が発生した場合や、譲渡所得に関する特例を利用したい場合は、確定申告が必要です。以下の書類を用意しましょう。

必要書類概要入手方法
確定申告書所得税の確定申告を行うために作成する。確定申告書第一表・第二表、確定申告書第三表(分離課税用)が必要国税庁のWebサイトもしくは税務署の窓口で入手。会計ソフトを使って作っても良い
登記事項証明書売却した物件に関するものを用意法務局の窓口もしくはインターネットからの請求
売買契約書のコピー売却した物件に関するもの。印紙が貼ってあるかを改めて確認すること各自用意
譲渡所得の内訳利益=譲渡所得の収支の内訳を記載した書類国税庁のWebサイトもしくは税務署の窓口で入手。わからない場合は税理士もしくは税務署に相談を
譲渡のために直接要した費用の領収書仲介手数料、売主負担分の印紙税、立退料など譲渡費用になりうるものの領収書のコピーを提出すると、これらが取得費とみなされ、譲渡所得・課税額が軽減できる可能性がある各自用意

不動産売却の特例の利用時に必要な書類

不動産を売却した際、条件を満たすと税法上の優遇策を使えることがあります。利用すれば結果として節税になるため、事前に確かめておきましょう。

3,000万円の特別控除

3,000万円の特別控除とは、マイホームを売ったとき、所有期間に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除が受けられる制度です。結果的に譲渡所得が少なくなるため、所得税および個人住民税が節税できます。この制度を使うためには、以下の書類が必要です。

必要書類概要入手方法
譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】土地や建物を売却し、確定申告を行う際に必要となる書類で、これを使って課税価格をチェックする国税庁のWebサイトもしくは税務署の窓口で入手。わからない場合は税理士もしくは税務署に相談を
戸籍の附票(今までの住所が記載されている)の写し住民票に記載されている住所と売却したマイホームの所在地が異なる場合に用意する各市区町村役場
売買契約書コピー(購入時と売却時)用意できるなら準備しておく各自用意
費用の領収書(購入時と売却時)用意できるなら準備しておく各自用意

参考:国税庁|No.3302 マイホームを売ったときの特例

軽減税率の特例

マイホームを売った際、一定の条件に当てはまれば、長期譲渡所得の税額を通常の場合よりも低い税率で計算することができる特例が受けられます。前提として、マイホームなどの不動産を売った場合、保有期間がどのぐらいだったかによって、適用される所得税率が異なる仕組みです。

短期譲渡所得
(売却した年の1月1日現在での所有期間が5年以下だったケース)
39.63%(所得税30.63%、住民税9%)
長期譲渡所得
(売却した年の1月1日現在での所有期間が5年超だったケース)
20.315%(所得税15.315%、住民税5%)

しかし「売った年の1月1日において売った家屋や敷地の所有期間がともに10年を超えている」など、一定の条件を満たせば、所得税に関しては以下のようにさらに低い税率が適用されます。

課税長期譲渡所得金額(=A)税額
6,000万円以下A-10%
6,000万円超(A-6,000万円)-15%+600万円

※別途、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1パーセントを所得税と併せて申告・納付する必要がある

この特例の適用を受けたい場合、以下の書類が必要です。

必要書類概要入手方法
譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】土地や建物を売却し、確定申告を行う際に必要となる書類で、これを使って課税価格をチェックする国税庁のWebサイトもしくは税務署の窓口で入手。わからない場合は税理士もしくは税務署に相談を
登記事項証明書売却した物件に関するものを用意法務局の窓口もしくはインターネットからの請求
売買契約書コピー(購入時と売却時)売買価格を調べるために使う各自用意
費用の領収書(購入時と売却時)用意できるなら準備しておく各自用意

参考:国税庁|No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例

特定居住用財産の買換えの特例

マイホームを手放し、住み替えるために別の家を購入する場合に使える特例です。一定の条件を満たせば、手放した家に関しての譲渡益に対する課税を将来、買い替えた家を売るときまで繰り延べることができます。ただし、譲渡益が非課税になるわけではないので、注意してください。

たとえば、1,000万円で購入したマイホームを5,000万円で売却すれば、譲渡益は4,000万円になります。本来であればこの4,000万円に対し所得税、住民税を払わないといけません。しかし、特定居住用財産の買換えの特例を使えば、7,000万円で買い替えたマイホームを将来譲渡するときまで課税を繰り延べることが可能です。

つまり、買い替えたマイホームを8,000万円で手放した場合、売却価額8,000万円と購入価額7,000万円との差額1,000万円の譲渡益に、最初のマイホームを手放したときの譲渡益4,000万円を加えた5,000万円に対し、所得税と住民税がかかります。

この特例を利用するためには、確定申告の際、確定申告書に以下の書類を添えて提出しましょう。ただし、用意すべき書類が多いので、事前に税理士や税務署、不動産会社に相談して準備しておくとスムーズに進められます。

必要書類概要入手方法
譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用】土地や建物を売却し、確定申告を行う際に必要となる書類で、これを使って課税価格をチェックする国税庁のWebサイトもしくは税務署の窓口で入手。わからない場合は税理士もしくは税務署に相談を
登記事項証明書売却した物件に関するものを用意法務局の窓口もしくはインターネットからの請求
売買契約書コピー(購入時と売却時)売買価格が1億円以下調べるために使う各自用意
買い換えた資産に関する書類状況に応じて以下のうちいずれかの書類を用意
・確認済証の写しまたは検査済証の写し(令和5年12月31日以前に建築確認を受けたことを証するものに限る。)
・家屋の登記事項証明書(令和6年6月30日以前に建築されたことを証するものに限る。)
・住宅用家屋証明書(特定建築物用)
・低炭素建築物新築等計画の認定通知書の写し
・住宅用家屋証明書(認定低炭素住宅に該当する旨などの記載があるものに限ります。)
もしくはその写しまたは認定低炭素住宅建築証明書
・住宅省エネルギー性能証明書または建設住宅性能評価書の写し
各自用意(不動産会社に相談しておくのが望ましい)
取得の日以前25年以内に建築されたものであることを明らかにする書類、または耐震基準適合証明書など買い替えた家が中古住宅である場合に用意各自用意(不動産会社に相談しておくのが望ましい)

不動産の無料一括査定ならイエカカク

不動産を売却するとなると、査定の段階からさまざまな書類を用意しなくてはいけません。中には手配に時間がかかるものもあるため、スケジュールに余裕を持って進めましょう。

査定を依頼するなら、一括見積もりサービスを使うと複数の不動産会社に簡単に連絡できます。ただし、対応エリアが狭かったり、あまり実績がない不動産会社ばかりが登録していたりなど、サービスによっても使い勝手はまちまちです。

イエカカクの一括見積もりは、47都道府県での査定に対応しています。実績豊富な不動産会社を厳選して掲載しており、中には不動産が1,000万円以上高く売れた事例もありました。少しでも不動産を高く売りたい方、相性の良い不動産会社を見つけたい方は、ぜひご利用ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次