古い家を売る方法は?損しないための注意点と税金対策を併せて解説


「築20年以上の古い家を売りたいけど買い手が付くか不安」

「そもそも古い家だと売ってもお金にならないんじゃないか」

こうした不安を抱えている売主は多いのではないでしょうか。たしかに、築年数が古い(20年以上)、旧耐震法基準しか満たしていない※家は築浅の物件と比べれば売れにくいです。

しかし「売れないわけではない」のもまた事実。この記事では古い家を売るための方法と注意点を中心に解説します。

この記事でわかること
  • 古い家を売るための5つの方法
  • 古い家を売る際の注意点
  • 古い家が売れなくて困ったときに使える3つの方法
  • 損しないための税金対策

※旧耐震法は1981(昭和56)年5月31日までの建築確認において適用されていた基準のこと

目次

古い家を売るのにおすすめの5つの方法!状況・ニーズ別に紹介

古い家を売るのにおすすめの5つの方法!状況・ニーズ別に紹介

古い家を売るのにおすすめの方法は以下の5つです。それぞれ「どんな状況・ニーズの人に向いているのか」を詳説します。

古い家を売る方法メリットデメリット
そのまま売りに出す手間が少ない
修繕等の費用もあまりかからない
売れやすさが物件の状態に左右される

売却価格は安くなりやすい
解体して土地を売る空き家の管理が不要になる
土地の広さ・状態が分かりやすい
解体費用がかかる

固定資産税の観点で損する可能性がある
リフォーム後に売る売却価格が高くなる可能性がある
買い手が見つかりやすい
内装を新築同様にできる
リフォーム費用を売却価格に転嫁できないリスクがある

手間がかかる
リフォームすべきかどうかの自己判断が困難
空き家バンクを利用する物件情報を無料掲載できる
不動産会社より仲介手数料が安い
売却までの期間が長くなりやすい(売れ残る可能性も高くなる)
トラブル対応は自分で行う必要があるなど手間がかかる
不動産買取を利用する他の方法と比較してすぐに売却ができる売却金額は安くなる
不動産会社選びを失敗すると、ほぼ利益が残らないリスクも

基本的に、手間がかからずすぐに売れる方法ほど「安く」、手間や時間がかかる可能性がある方法ほど「高く」売れる可能性が高くなります。

また、空き家バンクを除いた4つの方法は、どれも「不動産会社選び」が重要になります。古い家をできるだけ理想的な形で売りたいのであれば、信頼できる不動産会社を見つけるのが「売却の第一歩」になります。

状態が良い場合は「そのまま売りにだす」のがおすすめ

メリットデメリット
そのまま売りに出す手間が少ない
修繕等の費用もあまりかからない
売れやすさが物件の状態に左右される
売却価格は安くなりやすい

物件の状態がよく、古屋付きでも売れそうな場合は、査定を行い「そのまま売りに出す」のがおすすめです。欲を言えば以下の点も気にかけておくと、さらに売却がしやすくなります。

  • 清掃をできる範囲でおこなっておく
  • 家具等は撤去しておく
  • 目立つ傷や故障箇所は修繕しておく
  • 物件の周辺情報や利便性をまとめておく

特に、昨今では「完全リモートワーク」による地方や郊外への移住も増えているため、使用上問題なく、手入れがされている家であれば、築20年以上でも売れる可能性は十分あります。

注意点は「本当に掃除も家具の撤去もせずに売りに出していいわけではない」という点です。あくまで、原状回復をした状態で売りに出すようにしましょう。

また、売りにだすか迷っているのであれば、一括査定で「売却金額の目安」を一度調べてみることをおすすめします。

状態が悪く活用が難しい場合は「解体して土地を売る」のがおすすめ

メリットデメリット
解体して土地を売る空き家の管理が不要になる
土地の広さ・状態が分かりやすい
解体費用がかかる

固定資産税の観点で損する可能性がある

物件の法定耐用年数を超えるような「人が住むことが難しい・安全面がクリアできていない物件」の場合には、解体をして更地にしてから、土地を売る必要があります。

ただし、解体費用もかかるため、自己判断では行わず、一度不動産会社に相談したうえで、更地にしたほうが良いのか、家屋付きで売ったほうがいいのか決めるようにしましょう。

【解体費用の目安】

建物の構造坪あたり解体費用
木造4〜5万円
鉄骨6〜7万円
RC(鉄筋コンクリート)6〜8万円

また、解体して土地を売る場合は「固定資産税」にも注意が必要。ざっくり言うと土地にかかる固定資産税は、家屋が立っている(該当年の1月1日時点で判断)と軽減措置が適用されます。

更地にしてしまうと、固定資産税の軽減措置が受けられなくなるため「税制面での損益分岐点」も考える必要がある点も覚えておきましょう。

〜不動産会社選びは一括査定が簡単・便利〜

リフォームをすれば魅力が上がる場合はリフォーム後に売るのもおすすめ

「リフォームすれば高く売れそうだから大規模リフォームをしてから売ろう!」と思っている方は、ちょっと待ってください。古い家を売る際の「リフォーム」にはメリット以上に、知らないと損してしまうデメリットがあります。

メリットデメリット
リフォーム後に売る売却価格が高くなる可能性がある
買い手が見つかりやすい内装を新築同様にできる
リフォーム費用を売却価格に転嫁できないリスクがある
手間がかかる
リフォームすべきかどうかの自己判断が困難

もちろん、リフォームをすれば内装・外装ともに印象がよくなり、買い手もつきやすくなります。ただし、売却益を考えると、リフォームするかどうかは慎重に判断する必要があるのです。

一般的に、リフォーム費用を売却金額に全て転嫁することは難しいと言われています。理由は以下のとおり。

リフォーム費用を売却金額に転嫁するのが難しい理由
  • リフォームしても買い手のニーズに合わなければ査定額に転嫁されづらいから
  • 売主のリフォームしたいところと買い手のリフォームしたいところが一致していないケースがあるから
  • リフォーム代が上乗せされているのであれば、リフォームしていない物件を買って自分でリフォームしたいというニーズが一定あるから。

ですから、リフォームを考えている場合には、不動産会社に「これくらいの規模のリフォームを考えているのですが、売却金額を考えると得するか損するか教えて欲しい」と相談するようにしましょう。

手数料を抑えつつ時間がかかっても良い場合は「空き家バンク」の利用も考えてみよう

メリットデメリット
空き家バンクを利用する物件情報を無料掲載できる
不動産会社より仲介手数料が安い
売却までの期間が長くなりやすい(売れ残る可能性も高くなる)
トラブル対応は自分で行う必要があるなど手間がかかる
物件がある地域に空き家バンクサービスがあるとは限らない

空き家バンクとは、地方公共団体や民間事業者が地域にある空き家情報をデータベース化し、ホームページなどで公開・提供する仕組みです。

メリットとしては、物件情報を無料掲載できる点や、仲介手数料が抑えられる点があげられます。しかし、その分「自分でしなければいけないこと」が増える点には注意が必要。

具体的には以下の項目も自分で行う必要が生じる可能性があります。

  • トラブル対応
  • 買主候補との交渉

また、売却までの時間が長くなりやすいこと、売却金額も安くなりやすい点も覚えておきましょう。

手間をかけず短期で売りたい場合は「不動産買取」がおすすめ

メリットデメリット
不動産買取を利用する他の方法と比較してすぐに売却ができる売却金額は安くなる

不動産会社選びを失敗すると、ほぼ利益が残らないリスクも

古い家を手間をかけずに、すぐに売りたい場合は「不動産買取」がおすすめです。

不動産買取とは、不動産会社が直接物件を買い取る方法です。買主を探す仲介とは異なり、短期間で確実に売却することが可能です。また、広告や内見などの手間もかかりません。

ただし、手間と時間を節約できる分、以下のデメリットも生じるため、安易に「すぐに売れるなら不動産買取でいいか」と決断してしまわないようにしてください。

  • 仲介売却より買取金額は低くなる傾向にある
  • 不動産会社によっては、相場よりもさらに安く買い取られてしまうリスクも

特に、ポスト投函されている聞いたことのない不動産会社に買取に出すことは避けたほうが無難です。

古くてもあなたの大切な資産ですから、不動産買取を依頼するにしても「信頼できる不動産会社」を選んだ上で依頼するようにしましょう。

古い家を売りたい場合の注意点!損しないためのポイントを解説

古い家を売りたい場合の注意点!損しないためのポイントを解説

古い家を「後悔しない方法で」売りたいのであれば、以下6点に気をかけることが非常に重要です。

  • 築20年以上の不動産の売却実績が豊富な不動産会社に依頼すべし
  • 家の中の家財や不用品は撤去&清掃をしておく
  • 解体した方が売れやすいかどうかは不動産会社に要確認
  • リフォームをした方が有利に働くかどうかも不動産会社に必ず相談を!
  • 売却期間を意識しないと固定資産税が増える可能性がある
  • 倒壊・老朽化リスクが大きい場合も早めの対処が必要

損しないために、売主側ではどんな点に気を付けるべきなのかを確認していきましょう。

注意点を理解したうえで、不動産売却を進めることで「よりスムーズに後悔のない売却」ができる可能性が上がります。

築20年以上の不動産の売却実績が豊富な不動産会社に依頼すべし

1番重要なのが「不動産会社選び」です。

築20年を超えた不動産の売却は、築年数が経過しているため、一般の新築物件と比べて難易度が高いといえます。

そこで、築20年以上の不動産売却を成功させるためには、築20年以上の物件の売却実績を豊富に持つ不動産会社に依頼することが必要になります。以下、その理由を詳しく説明します。

1. 適正な価格での売却を実現できる可能性が高い

築20年以上の不動産は、査定が難しく、実際の価値と乖離が生じやすい傾向があります。

経験豊富な会社であれば、過去の取引データや周辺環境の分析に基づき、適正な価格を算出することができます。また、市場動向を常に把握しているため、有利な時期に売却できる可能性も高くなります。

2. 修繕・リフォームの提案とサポートが期待できる

築20年以上の不動産の場合、購入希望者にとって修繕やリフォームが必要となるケースが多くあります。

実績豊富な会社であれば、必要最低限の修繕箇所を的確に判断し、費用を抑えながら効果的なリフォームを提案することができます。さらに、信頼できる業者の紹介や施工監理までサポートしてくれるため、安心してお任せいただけます。

3. 幅広い買主候補へのアプローチをしてもらえる

築20年以上の不動産は、若い世代よりも、ファミリー層や投資家などの層がターゲットとなります。

実績豊富な会社であれば、こうした幅広い買主候補へのネットワークを持っています。また、個々の物件に合った買主を的確にマッチングすることで、より早く、より高値で売却できる可能性が高くなります。

4. 法律・税務に関するサポートにも期待できる

不動産売却には、様々な法律や税務に関する手続きが伴います。

実績豊富な会社であれば、経験豊富なスタッフが法令遵守を徹底しながら、必要書類の作成や各種手続きをサポートしてくれます。また、税金対策に関するアドバイスなども提供してくれるため、安心して売却を進めることができます。

H4.5. 精神的なサポート

不動産売却は、人生の中でも大きな決断の一つです。

経験豊富な会社であれば、売却活動に関する進捗状況を定期的に報告し、不安や疑問点に丁寧に相談に乗ってくれます。また、売却後のアフターフォローも充実しており、お客様の長期的な資産形成までサポートしてくれます。

築20年以上の不動産売却は、経験と実績が豊富な不動産会社に依頼することで、よりスムーズかつ高値で売却することができます。複数の会社を比較検討し、信頼できるパートナーを見つけることが重要です。

家の中の家財や不用品は撤去&清掃をしておく

古い家を売却する際には、家の中の家財や不用品を撤去・清掃しておくことが重要です。

買主にとって、清潔で整理整頓された状態の物件の方が、より良い印象を与え、高値で売却しやすくなります。

具体的な注意点は以下のとおりです。

  • 不要な家財や不用品を処分する

長年使っていない家具や衣類、家電製品などは、思い切って処分しましょう。リサイクルショップやフリマアプリなどで売却することもできます。

  • 家の中を掃除する

ホコリや汚れをしっかり掃除し、清潔な状態にしましょう。特に、キッチンや浴室、トイレなどの水回りは念入りに掃除しておくことで、丁寧に使われてきたんだなという印象を与えることができます。また、眺望に影響する窓ガラスや網戸なども掃除しておくと尚良いです。

  • 異臭を消す

ペットを飼っている場合は、動物臭を消しましょう。タバコ臭やカビ臭などがあれば、消臭剤を使うなどして対策します。自分で難しい場合には専門業者へ依頼することも検討しましょう。

  • 修繕が必要な箇所を修繕する

破損している箇所や老朽化している箇所は、修繕しておきましょう。小さな故障箇所でも、買主にとってマイナスの印象を与えてしまう可能性があります。

家財や不用品の撤去・清掃にかかる費用は、物件の広さや状態によって異なりますが、数万円~数十万円程度が目安となります。専門業者に依頼する場合は、見積もりを複数取ることをおすすめします。

また、採算が合うかどうかは不動産会社の担当者に事前相談しておくことをおすすめします。

解体した方が売れやすいかどうかは不動産会社に要確認

解体費用は安くないため、解体したほうがよいかの判断は自己判断ではなく、仲介を依頼する不動産会社と入念に相談すべきです。

また、解体は費用だけでなく「固定資産税」にも影響があります。家屋を解体すると「家屋」に対する固定資産税はなくなりますが、土地に対する固定資産税が高くなる可能性があります。

なぜなら、土地にかかる固定資産税には「住宅用地の特例」というものがあり、家屋があると、固定資産税が以下のように軽減される仕組みになっています。

面積固定資産税都市計画税
小規模宅地(200㎡以下)固定資産税の1/6固定資産税評価額の1/3
小規模宅地以外(200㎡超え)固定資産税の1/3固定資産税評価額の2/3

そのため、固定資産税や更地にした場合のメリット・デメリットを天秤にかけたうえで、解体するかどうか判断する必要があるのです。

リフォームをした方が有利に働くかどうかも不動産会社に必ず相談を!

 たしかに、リフォームによって物件の魅力をアップさせ、より高値で売却できる可能性はあります。

しかし、リフォームには費用がかかります。費用に見合った効果が得られるかどうかは、物件の状態や市場環境によって異なるため、自己判断で行うのはおすすめできません。

そこで重要となるのが、不動産会社への相談です。

古い家の売却実績が豊富な不動産会社であれば、過去の取引データや周辺環境の分析に基づき、リフォームが必要かどうか、どのようなリフォームが効果的かを客観的に判断することができます。

主な相談項目例
  • 物件の状態: 築年数や劣化具合などを考慮し、本当にリフォームが必要かどうかを判断してもらいましょう。
  • 市場環境: 周辺の類似物件の売却事例などを参考に、リフォームによる価値アップが期待できるかどうかを判断してもらいましょう。
  • リフォーム費用: 具体的なリフォーム内容と費用を提示してもらい、予算内で実現できるかどうかを検討しましょう。
  • リフォーム業者: 信頼できるリフォーム業者を紹介してもらいましょう。
  • 想定される売却額の変化:リフォーム代金よりも売却金額に上乗せできる金額が高いかどうかを試算してもらいましょう。

リフォームはあくまでも手段の一つであり、必ずしも必須ではありません。費用と効果をよく比較検討し、専門家の意見を参考に、最適な判断をすることが大切です。

売却期間を意識しないと固定資産税が増える可能性がある

売却期間を意識しないと固定資産税が増える可能性がある

もし、家屋を取り壊して「更地」として土地を売ろうと決めた場合には、売却期間と解体タイミングを入念に考える必要があります。

なぜなら、固定資産税の「住宅用地の特例(土地にかかる固定資産税・都市計画税が軽減される制度)」が適用されるかどうかは「その年の1月1日地点で家屋があるかないか」で判断されるからです。

理想的なスケジュールは、1月2日以降に取り壊して、その年の12月31日までの間に売却することです。これなら固定資産税の軽減措置を受けながら、売却まで済ませることができます。※

いつ取り壊しをするのが税制面で得なのか、そのためにはどのような解体・売却スケジュールが良いのかも綿密に担当者と話し合うことを強くおすすめします。

※「特定空家等」または「管理不全空家等」に該当すると軽減措置が受けられないため、注意しましょう。特定空家等とは、空家等対策の推進に関する特別措置法で定められた、放置することが周辺の生活環境に悪影響を与える恐れのある空家等を指します。

倒壊・老朽化リスクが大きい場合も早めの対処が必要

物件の築年数が耐用年数を超えている場合には、早めに解体をする、トラブルの防止策を講じる等の対処が必要になります。

【古い家を空き家のまま放置するリスク】

  • 建物の老朽化が進む
    • 雨漏りやシロアリ被害などのリスクが高まる
  • 固定資産税が高くなる
    • 特定空き家等に指定されると、固定資産税が最大6倍になる
  • 犯罪のターゲットにされるリスクがある
    • 空き巣や放火などの犯罪が発生しやすくなる
  • 近隣住民に迷惑をかける
    • 害虫や害獣の発生、悪臭、景観の悪化など
  • 行政から指導を受ける
    • 特定空き家等に指定されると、行政から指導・勧告を受ける可能性がある
  • 損害賠償請求のリスクがある
    • 建物倒壊などにより周辺に被害を与えた場合、損害賠償請求される可能性がある

空き家を放置することは、自身にとっても、周辺住民にとっても、多くのリスクがあります。売却以前の話になりますが、こうしたリスクにも気を払うよう心がけましょう。

古い家が売れるか心配・売れなくて困ったときに使える3つの方法

古い家が売れるか心配・売れなくて困ったときに使える3つの方法

築年数が経った家は、新築に比べて買い手を見つけるのが難しいと感じていませんか?なかには既に売りに出しているけど全然売れないと思い悩んでいる人もいると思います。

 しかし、諦める必要はありません。この章では、古い家をより売れやすくするためのノウハウを3つ紹介します。

  • 解体費用の補助金を活用して更地として売り出す※該当する自治体のみ
  • 建物の状況調査(ホームインスペクション)を使って物件状況を明確にする
  • 瑕疵担保保険を付保して売る

解体費用の補助金を活用して更地として売り出す※該当する自治体のみ

家屋の古さが原因で買い手がつかない、けど解体費用を出す余裕はない…そんな時は、お住まいの自治体で解体費用の補助金をもらえないか確認してみましょう。

例えば、東京都板橋区では「老朽建築物等対策支援事業」として、解体費用の半分(10分の5)を交付しています(上限100万円)。※

また、自分が補助金の交付対象かどうかは、お住まいの地方自治体に問い合わせて、職員に判断してもらうのが一番簡単かつ早いです。

もし、解体をすれば売れそうだと考えている、不動産会社の人に解体して更地にすることを勧められている場合には、活用できる助成金制度がないかチェックしてみることをおすすめします。

※建築基準法第43条各項のいずれにも該当しない場合は、上記の10分の5を10分の8として、200万円を上限に交付します。

建物の状況調査(ホームインスペクション)を使って物件状況を明確にする

ホームインスペクションとは、住宅診断士と呼ばれる専門家が、建物の外観、基礎、構造、設備などを調査し、建物の状態を客観的に評価するサービスです。

ホームインスペクションを活用することで以下のメリットがあるため、より売りやすくなります。

売主目線でのメリット

  • 建物の状態を買主に明示できる
  • 瑕疵担保責任のリスクを軽減できる
  • 早く 売却できる可能性が高まる
  • 売買後のトラブルを防げる

買主目線でのメリット

  • 建物の潜在的な欠陥や問題点を事前に把握できる
  • 建物の状態に対する 安心感 を得られる
  • 瑕疵担保責任のリスクを軽減できる
  • 売買価格の交渉材料にできる

ホームインスペクションでは、一般的に以下の項目が調査されます。

ホームインスペクションで調査される項目
  • 外観:外壁、屋根、雨樋、目地、窓、ベランダなど
  • 基礎:基礎の状態、ひび割れ、不同沈下など
  • 構造:柱、梁、筋交い、土台など
  • 設備:キッチン、浴室、トイレ、電気設備、給排水設備など
  • その他:白アリ被害、雨漏り跡、シロアリ被害など

調査結果は、報告書としてまとめられます。

報告書には、建物の状態を写真付きで詳しく記載してあるため、買主は、この報告書を参考に建物の購入を判断することができるようになります。

ホームインスペクションの費用は、建物の規模や調査内容によって異なりますが、一般的には3万円~5万円程度です。

ずっと売れ残り続けて、固定資産税がかかるよりは、早めにホームインスペクションを活用して買い手を見つけるのも賢明な判断といえます。

瑕疵担保保険を付保して売る

瑕疵担保保険とは、売買後に隠れ瑕疵が見つかった場合、売主が買主に支払うべき損害賠償責任を保険金で補償する保険です。

築年数が経った家は、新築に比べて隠れ瑕疵が発生する可能性が高くなります。そのため、古い家を売却する際には、瑕疵担保保険に加入しておくことをおすすめします。

瑕疵担保保険に加入するメリットは、以下のとおりです。

売主目線でのメリット

  • 瑕疵担保責任のリスクを軽減できる
  • 売買後のトラブルを減らせる
  • 早く売却できる可能性が高まる

買主目線でのメリット

  • 建物の状態に対する安心感を得られる
  • 瑕疵担保責任のリスクを軽減できる
  • 売買価格の交渉材料にできる

瑕疵担保保険で補償される瑕疵は、一般的に以下のとおりです。

瑕疵担保保険で補償される瑕疵
  • 構造躯体の瑕疵:柱、梁、土台などの主要な構造部分の欠陥
  • 雨漏り:屋根や外壁からの雨漏り
  • シロアリ被害:シロアリによる建物の被害
  • 水漏れ:給排水設備からの水漏れ
  • その他の瑕疵:カビ、腐食、欠陥商品など

ただし、保険約款によって補償内容が異なる場合がありますので、加入前に必ず確認するようにしましょう。

瑕疵担保保険の保険料は、建物の種類や価格、築年数によって異なりますが、一般的には売買価格の0.3%~0.5%程度です。

保険料は決して安くはありませんが、瑕疵担保責任のリスクを軽減することで、大きな損失を回避することができます。

築年数が古い家を売るのであれば、アピールポイントを引き出すこと以上に「買手にとってリスクが少ないことをアピールすること」が重要です。

古い家の売却手順!ポイントは一括査定と依頼先の見極め

古い家の売却手順!ポイントは一括査定と依頼先の見極め

ここでは、古家の売却を成功させるための5つのステップを、分かりやすく説明します。

  1. 不動産の査定を複数の不動産会社に依頼する
  2. 媒介契約の締結(不動産会社との契約)
  3. 売却活動を行う
  4. 買主へ物件・必要書類の引渡
  5. 確定申告をして終了!

特に抑えておきたいポイントは、一括査定を活用して複数の不動産会社から査定をもらうことと、依頼先を慎重に見極めることの2点です。

この2点をクリアするためには、一括査定サービスの活用がおすすめです。

不動産の査定を複数の不動産会社に依頼する

まずは、不動産の査定を依頼しましょう。この際、ネームバリューがある不動産会社1社のみの査定を受けるのはおすすめしません。なぜなら、その査定金額が高いのか安いのかの判断がしづらいからです。

そこで、おすすめなのが「一括査定サービス」の活用。一括査定サービスとは、web上で必要項目を入力するだけで、複数の不動産会社に査定をしてもらえるサービスのことです。

イエカカクでは、最大6社に同時査定を依頼できる一括査定サービスを無料で提供しています。ご自身の物件の「適正価格」を知るためにも、1度査定を申し込んでみましょう。

媒介契約の締結(不動産会社との契約)

査定の結果、信頼できる不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。

媒介契約とは、不動産会社に売却活動を依頼する契約です。

媒介契約の流れ
  • 媒介契約書の内容を確認し、双方が合意する。
  • 必要書類を提出する。
  • 媒介契約書に署名・捺印する。
  • 仲介手数料を支払う。(半額)

仲介手数料は、不動産会社によって支払うタイミング・金額が異なる場合がありますが、一般的には、契約締結時に半額、残金決済・引渡し完了時に残り半額を支払います。

また、媒介契約書には、以下のような内容が記載されています。

媒介契約書の内容
  • 媒介期間:不動産会社が売却活動を行う期間
  • 専任媒介、一般媒介、専属専任媒介の別
  • 仲介手数料の支払い方法
  • 解約条件

媒介契約を締結する前に、内容を しっかりと 確認し、疑問点は必ず 不動産会社に確認しましょう。

売却活動を行う

媒介契約を締結したら、不動産会社が売却活動を行います。

売却活動には、以下のような内容が含まれます。

売却活動の内容
  • 物件情報の広告掲載
  • 内覧対応
  • 買主との交渉
  • 売買契約書の作成

売主としては、売却活動中に以下のような対応をするのがベター。スムーズに納得のいく金額で売却するためには必要不可欠な手間といえます。

売却活動中の対応
  • 物件を清掃し、整理整頓(家財の撤去)をしておく。
  • 内覧時に立ち会う。
  • 不動産会社の担当者とこまめにコミュニケーション・状況確認を行う。
  • 必要書類を準備する。

売却活動は、数ヶ月から半年程度かかる場合が多いです。焦らず、不動産会社と密にコミュニケーションを取りながら、売却活動を進めていくことが重要です。

また、なかなか売れない焦りから「売却金額を安くしすぎる、自己判断でリフォームする、税制面を考えず更地にする」等のNG行動をしてしまうのだけは避けるようにしましょう。

買主へ物件・必要書類の引渡

買主様へお渡しする書類は以下のとおりです。

必要書類概要
1. 売買契約書売買契約の内容を証明する重要書類です。署名・捺印欄に売主と買主が署名・捺印したものを2通用意します。1通は買主へ渡し、もう1通は売主が保管します。
2. 登記簿謄本物件の所有権や抵当権などの登記情報が記載された書類です。発行から3ヶ月以内のものが必要です。法務局で発行できます。
3. 印鑑証明書売主の本人確認に使用されます。発行から3ヶ月以内のものが必要です。住民票のある市区町村役場で発行できます。
4. 固定資産税納税通知書固定資産税の納税状況が確認できる書類です。前年度のものが必要です。住民票のある市区町村役場で発行できます。
5. その他抵当権抹消書類:抵当権が設定されている場合は必要です。 住民票:住所変更の手続きに必要です。 家屋図面:建物の構造や間取りが分かる書類です。 保証書:設備の保証期間が記載されているものがあれば必要です。

上記以外にも、物件や契約内容によって必要な書類が追加される場合があります。詳細は、担当の不動産会社に事前に確認しておきましょう。

確定申告をして終了!

最後に譲渡した際の金額をもとに確定申告をして終了です。税金に関しては次章で説明します。

家(古い家を含む)を売ると譲渡所得税がかかる

家(古い家を含む)を売ると譲渡所得税がかかる

古い家を売却すると、譲渡所得税という税金がかかります。譲渡所得税とは、土地や建物を売却した際に発生する所得にかかる税金です。計算方法は、以下のとおりです。

1.譲渡所得額を計算する

譲渡所得額= 譲渡価額 – 取得費 – 譲渡費用

譲渡価額:売却したときの価格

取得費:土地や建物を取得したときの価格

譲渡費用:売却活動にかかった費用

2.譲渡所得額から控除できる金額があれば控除額を差し引く

課税譲渡所得額=譲渡所得額-控除額

3.以下の表をもとに、税率をかけて納税額を調べる
所得の区分短期譲渡所得長期譲渡所得
所有期間(譲渡した年の1月1日時点での所有期間)5年以下5年超10年超
(10年超所有軽減税率の特例適用の場合)※3
税率39.63
所得税:28.53%
住民税:9% 復興特別所得税:2.1%
20.315
所得税:15.315%
住民税:5% 復興特別所得税:2.1%
[ 1 ] 課税譲渡所得6,000万円以下の部分
14.21
所得税:8.11%
住民税:4% 復興特別所得税:2.1%
[ 2 ] 課税譲渡所得6000万円超の部分
20.315%
所得税:13.215%
住民税:5% 復興特別所得税:2.1%

詳しい計算方法は以下の記事で解説しています。

関連記事:住宅売却時にかかる税金は6種類!税額の計算例や控除の申請方法もあわせて解説

古い家の売却で使える可能性のある税制優遇措置【3選】

古い家の売却で使える可能性のある税制優遇措置【3選】

古い家を売却した際に知っておきたいのが「税制優遇措置」です。最大「3000万円控除」が受けられる可能性があるため、必ずチェックしておきましょう。

  • 低未利用地等を売却したときの100万円特別控除
  • 居住用住宅(マイホーム)で利用できる3,000万円特別控除
  • 相続した空き家(居住用財産)を売却した場合にも3,000万円の控除が適用可能

低未利用地等を売却したときの100万円特別控除

都市計画区域内にある、低未利用土地等であることを条件に、譲渡所得から100万円を控除できる制度です。

(注)低未利用土地等とは、居住の用、事業の用その他の用途に利用されておらず、またはその利用の程度がその周辺の地域における同一の用途もしくはこれに類する用途に利用されている土地の利用の程度に比し、著しく劣っている土地や当該低未利用土地の上に存する権利のことをいいます。

譲渡所得額が100万円未満の場合には、その譲渡所得の金額=控除額になるため、税金はかかりません。

例:譲渡所得が80万円だった場合

譲渡所得(80万円)-特別控除(80万円)=0円(課税譲渡所得)

 

居住用住宅(マイホーム)で利用できる3,000万円特別控除

マイホームを売却すると、譲渡所得という所得が発生します。

この譲渡所得は、通常課税対象となりますが、「居住用財産の3,000万円特別控除」という特例を適用することで、最大3,000万円まで控除することができ、譲渡所得にかかる所得税と住民税がゼロになる可能性があります。

この特例を利用できるかどうかは、以下の条件を満たす必要があります。

特例の適用条件
  • 自分が住んでいる家屋を売却するか、家屋とともにその敷地や借地権を売却する
  • 売却した家屋を、譲渡する年の前年1月1日から譲渡する日までの間、 自己の居住用財産として1年以上住んでいた
  • 売却する年の前年・前々年に、他の居住用財産の特例を適用していない
  • 売却代金が1億円以下

上記条件を満たせば、最大3000万円の節税が可能となります。税制面でのメリットが大きいのでマイホームを売却予定の方はぜひチェックしておきましょう。

※マイホーム売却に伴う税金は複雑な場合もありますので、詳しくは税務署や専門家に相談することをおすすめします。

相続した空き家(居住用財産)を売却した場合にも3,000万円の控除が適用可能

この特例は、被相続人が亡くなった日から3年以内に、住んでいた家屋とその敷地を売却する場合に適用されます。譲渡所得から最大3000万円が控除され、所得税と住民税がゼロになる可能性があります。

特例の適用条件は、主に以下のとおりです。

特例の適用条件
  • 被相続人が所有していた家屋とその敷地を相続または遺贈で取得していること
  • 被相続人が亡くなった日から3年を経過する年の12月31日までに、家屋とその敷地を譲渡すること
  • 被相続人が譲渡する年及びその前年・前々年のいずれにも、他の居住用財産の譲渡所得の特例を適用していないこと
  • 家屋の建築年が昭和56年5月31日以前であること
  • 家屋の床面積が50平方メートル以下であること
  • 家屋の敷地が1,000平方メートル以下であること
  • 被相続人が所有していた家屋が、被相続人及びその配偶者が居住用財産として1年以上住んでいたこと

この特例は、他の特例と比べて条件が複雑なため、適用されるかどうかは、事前に税理士に確認しておくことを強くおすすめします。

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