不動産の売り出し価格とは?決め方や失敗しないためのポイントを解説

不動産を売却しようとお考えの方の中には、「適切な売り出し価格をどのように決めればよいのか」という疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。売り出し価格は、売主が自由に決められるものですが、高すぎれば買い手がつかず、安すぎれば損をしてしまう可能性があります。

本記事では、不動産の売り出し価格の決め方や、査定価格との違い、失敗しないためのポイントについて、具体的に解説していきます。この記事を読むことで、適切な売り出し価格の設定方法や、価格決定時の注意点を理解することができるでしょう。

目次

不動産の売り出し価格とは

不動産の売り出し価格とは、実際に物件を市場に出す際の公開価格のことです。不動産会社による査定結果や市場の相場、売主の希望などを総合的に考慮して決定される金額となります。この価格は、不動産情報サイトやチラシなどの広告に掲載され、購入希望者の目に触れる最初の価格です。

査定価格との違い

査定価格は、不動産会社が物件を調査し、周辺の取引事例や市場動向などを分析して算出する価格のことです。不動産会社は、物件の立地や築年数、設備の状態、さらには近隣の売買事例などを総合的に判断して査定価格を決定します。

一方、売り出し価格は、この査定価格を参考にしながらも、最終的には売主が決定する価格です。つまり、査定価格はあくまでも売却可能性の目安であり、実際の売り出し価格とは必ずしも一致しないことがあります。

成約価格との違い

成約価格は、実際に売買契約が成立した際の最終的な取引価格のことです。この価格は、売主と買主の交渉を経て決定されるため、当初の売り出し価格とは異なることが一般的です。

マンションの場合は売り出し価格と成約価格の差は比較的小さく、戸建ての場合は価格差が大きくなる傾向にあり、売り出し価格から20%程度下がって成約するケースも珍しくありません。土地については、平均して10%程度の価格差が生じるといわれています。このような価格差が生じる理由は、物件の個別性や取引時の市場環境、買主の交渉力などが影響しているためです。

不動産の売り出し価格の決め方

不動産の売り出し価格を決めるには、体系的なステップを踏むことが重要です。具体的には、以下の4つの手順で進めていきます。

不動産の売り出し価格を決める際の流れ
  1. 住宅ローンの残債を確認する
  2. 市場の取引価格を調査する
  3. 希望する売却価格を決める
  4. 不動産会社に査定を依頼する

これらのステップを順番に進めることで、適切な売り出し価格を設定することができます。各ステップについて詳しく見ていきましょう。

1.住宅ローンの残債を確認する

住宅ローンが残っている物件を売却する場合、まず正確な残債額を確認することが重要です。これは売却価格の下限を決める重要な要素となるためです。住宅ローンの残債は、金融機関に問い合わせることで正確な金額を知ることができます。

特に注意が必要なのは、売却価格が住宅ローンの残債を下回る「オーバーローン」の状態を避けることです。オーバーローンとなると、売却代金だけでは住宅ローンを完済できず、別途資金を用意する必要が出てきます。そのため、住宅ローンの残債は、売り出し価格を決める際の重要な基準の一つとなります。

2.市場の取引価格を調査する

市場価格の調査は、適切な売り出し価格を決めるために重要です。調査方法には、以下の方法があります。

  • 不動産ポータルサイトで類似物件の価格を確認する
  • 国土交通省の「不動産取引価格情報検索サイト」で実際の取引価格を調べる
  • 近隣で売り出し中の同種の物件価格をチェックする

特に重要なのは、自分の物件と条件が似ている物件(同じ地域、同じような築年数、面積など)の価格を複数確認することです。これにより、市場で受け入れられやすい価格帯を把握することができます。

3.希望する売却価格を決める

希望売却価格は、売主が「できればこの価格で売りたい」と考える理想的な価格です。この価格を決める際は、以下の要素を考慮する必要があります。

  • 住宅ローンの残債額
  • 次の住居購入のための必要資金
  • 売却にかかる諸費用
  • 市場調査で分かった相場価格

ただし、希望売却価格は、必ずしも実現可能な価格とは限りません。市場の実態と大きくかけ離れた価格設定は、売却活動の長期化や、最終的な売却価格の大幅な値下げにつながる可能性があるため注意しましょう。

4.不動産会社に査定を依頼する

最後に、複数の不動産会社に査定を依頼します。査定依頼の際は、以下の点を押さえておきましょう。

  • 最低でも3社以上の不動産会社に依頼する
  • 実績のある地域密着型の不動産会社を含める
  • 大手不動産会社も選択肢に入れる
  • 一括査定サービスを活用して効率的に進める

各社の査定価格を比較することで、より正確な市場価値を把握することができます。また、各社の査定価格の根拠や、売却戦略の提案内容なども、売り出し価格を決める際の重要な判断材料となります。

不動産の売り出し価格で失敗しないためのポイント

不動産売却において、適切な売り出し価格の設定は成功の鍵となります。以下では、売り出し価格の決定で失敗しないための重要なポイントを解説していきます。特に気をつけるべきは、以下の4つです。

  • 余裕を持った売却スケジュールを立てること
  • 最低の売却価格を決めておくこと
  • 値下げ交渉をされる前提で価格を設定すること
  • 複数の不動産会社で査定すること

これらのポイントを押さえることで、後悔のない価格設定が可能になるでしょう。

余裕を持った売却スケジュールを立てること

売却スケジュールの設定は、適切な売り出し価格を決めるうえで重要な要素です。一般的な不動産売却には3~6ヶ月程度かかることを念頭に置く必要があります。具体的な内訳は、以下のとおりです。

  • 売り出しから購入希望者が現れるまで:1~2ヶ月
  • 価格交渉から契約まで:2~3週間
  • 契約から決済まで:1~2ヶ月

このような標準的なスケジュールを考慮に入れずに、急いで売却しようとすると、必要以上に安い価格設定をせざるを得なくなる可能性があります。余裕を持ったスケジュールを組むことで、適切な価格での売却機会を逃さないようにしましょう。

最低の売却価格を決めておくこと

最低売却価格とは、これ以上は下げられないという価格のラインです。この価格を設定する際は、以下の要素を考慮する必要があります。

  • 住宅ローンの残債額
  • 売却に伴う諸費用(仲介手数料、税金など)
  • 次の住居購入のための必要資金
  • 引っ越し費用

最低売却価格を決めておくことで、値下げ交渉の際に冷静な判断ができ、後悔のない売却が可能になります。特に、住宅ローンが残っている場合は、残債を完済できる金額を下回らないよう注意しましょう。

値下げ交渉をされる前提で価格を設定すること

不動産取引では、ほとんどの場合に値下げ交渉が発生します。そのため、以下のような対応が重要です。

  • 値下げの余地を残した価格設定をする
  • 交渉の際の値引き幅をあらかじめ想定しておく
  • 物件種別による一般的な値引き率を把握する(マンション:2~3%、戸建て:15~20%、土地:10%程度)

この前提で価格設定をすることで、スムーズな価格交渉が可能になり、買主との良好な関係を築くことができます。

複数の不動産会社で査定すること

適切な売り出し価格を決めるためには、複数の不動産会社による査定を比較することが不可欠です。その理由は以下の通りです。

  • 不動産会社によって得意とする物件タイプや地域が異なる
  • 各社の査定基準や市場分析方法に違いがある
  • より多くの市場情報や売却戦略の提案を得られる
  • 極端に高い査定価格や低い査定価格を見分けることができる

最低でも3社以上の査定を比較し、各社の査定根拠や販売戦略をよく確認することで、より正確な市場価値の把握が可能になります。

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不動産の売り出し価格を決めることは、売却活動の成否を左右する重要なポイントです。適切な価格設定のためには、住宅ローンの残債確認、市場価格の調査、売却希望価格の設定、複数社による査定、余裕のある売却スケジュール、最低売却価格の設定、値下げ交渉の想定など、多くの要素を慎重に検討する必要があります。

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