不動産売却を検討する際、多くの方が「本当に売却すべきか」「今が最適なタイミングか」という判断に迷います。この記事では、不動産売却のメリット・デメリットを詳しく解説し、売却の判断基準や注意点をわかりやすくお伝えします。売却を迷われている方や、より良い条件での売却したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
不動産売却のメリット
不動産を売却すると、主に以下のようなメリットがあります。
- 現金化できる
- 維持費がかからなくなる
- 固定資産税や都市計画税が軽減される
- 資産を分けやすくなる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
現金化できる
不動産売却最大のメリットは、資産を現金化できることです。これにより、様々な用途に資金を活用できるようになります。例えば、住宅ローンの繰り上げ返済や新しい不動産の購入資金などです。
また、株式投資や外貨建て資産の購入など、ポートフォリオの分散投資にも活用できるでしょう。さらに、相続が発生した場合の納税資金としても活用できるため、将来の資金計画を立てやすくなります。
維持費がかからなくなる
不動産を所有していると、経年劣化による修繕費用や管理費など、様々な維持費が必要になってきます。特に築年数が古い物件では、予期せぬ修繕費用が発生することもあるでしょう。
売却することで、こうした維持費の負担から解放されます。浮いた費用を生活費や趣味に充てることもできますし、他の資産形成に回すこともできるでしょう。特に空き家になっている不動産を所有している場合は、維持費の削減効果が大きいといえます。
固定資産税や都市計画税の負担がなくなる
不動産を所有していると、毎年固定資産税と都市計画税を納める必要があります。固定資産税は固定資産評価額の約1.4%、都市計画税は約0.3%が標準的な税率です。
売却することで、これらの税負担から解放され、月々の支出を抑えられます。
資産を分けやすくなる
不動産を売却して現金化することで、資産が分けやすくなり、相続対策としても有効です。
例えば、相続人が複数いる場合、不動産をそのまま相続すると権利関係が複雑になる可能性があります。しかし、売却して現金化しておけば、相続人の人数に応じて公平に分配できます。
また、生前贈与の際も、現金であれば必要な金額だけの贈与が可能です。
不動産売却のデメリット
不動産の売却はメリットがある一方で、以下のようなデメリットがあります。
- 希望の価格で売却できない可能性がある
- 売却に費用がかかる
- 手間と時間がかかる
- 不動産を利用した節税対策ができなくなる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
希望の価格で売却できない可能性がある
不動産を売却する際、所有者の希望の価格で売れるとは限りません。不動産価格は市場の需給関係や経済状況によって変動するためです。
特に、周辺に競合物件が多い場合や、物件の状態が良くない場合は、価格を下げざるを得ないこともあるでしょう。
対策としては、複数の不動産会社に査定を依頼し、適正な売却価格を把握することが重要です。また、物件価値を高めるための補修やリフォームも必要に応じて検討しましょう。
売却に費用がかかる
不動産売却には様々な費用が発生します。主な費用としては、不動産会社への仲介手数料、印紙税、測量費用などです。仲介手数料の上限は「(売却価格×3%+6万円)×1.1(消費税)」であり、売却金額が高額になるほど費用も大きくなります。
しかし、複数の不動産会社を比較して手数料の交渉をしたり、不動産業者による直接買取を選択したりすることで、ある程度費用を抑えられる可能性があります。
手間と時間がかかる
不動産売却には多くの手間と時間がかかります。売却までの大まかな流れは以下のとおりです。
- 査定依頼
- 売り出し価格の設定
- 販売開始
- 購入希望者との交渉
- 売買契約
- 引き渡し
一般的に、販売開始から売却契約までに3ヶ月程度かかると考えましょう。引き渡しまで含めると、さらに2ヶ月ほどかかります。
不動産売却は長期戦であるため、信頼できる不動産会社を選び、プロのサポートを受けながら進めましょう。また、必要書類を事前に準備しておくことで、手続きをスムーズに進めやすくなります。
不動産を利用した節税対策ができなくなる
不動産所有には様々な税制上のメリットがあります。例えば、住宅ローンを組んでいる場合は、住宅ローン控除の適用、賃貸に出している場合は経費計上による所得税の軽減などです。
不動産を売却すると節税対策がしにくくなるため、売却後の新たな資産運用プランを事前に考えておきましょう。税理士に相談し、長期的な計画を立てることをおすすめします。
相続した不動産の売却には税金がかかる
相続した不動産を売却する場合、譲渡所得税が発生します。譲渡所得税とは、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた利益に対して課税される税金です。
さらに、相続から3年10ヶ月を超えて売却した場合は、「取得費加算の特例」が使えなくなるため、税負担が大きくなる可能性があります。
税負担を軽減するためには、相続から3年10ヶ月以内の売却を検討したり、「居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」などの適用可能な特例を利用したりすることが有効です。
売却した方がいい不動産の特徴
具体的にどのような不動産なら売ったほうがいいのか、判断しかねている方も多いでしょう。ここからは、売却したほうがいい不動産の特徴を紹介します。
- 空き家になっている不動産
- 相続したものの使用予定のない不動産
- 修繕費用が年々増加している不動産
- 周辺の競合物件が多い不動産
- 資産価値の下落が続いている不動産
- 固定資産税の特例が受けられなくなった不動産
このような不動産を所有し続けると、維持費や税負担が重くのしかかってきます。特に空き家は防犯上の問題や近隣への迷惑になるだけでなく、「特定空き家」と判断されると固定資産税が6倍に跳ね上がる恐れもあります。
早めに売却を決断することで、資産価値が大きく下がる前に現金化できるでしょう。
売却しない方がいい不動産の特徴
一方で、売却しないほうが恩恵を受けられる不動産もあります。具体的には以下のような不動産です。
- 実際に居住している不動産
- 安定した賃料収入が得られている不動産
- 将来的な値上がりが期待できる不動産
- 相続税対策として活用している不動産
- 住宅ローン控除を受けている不動産
- 長期的な資産形成に寄与している不動産
居住用不動産は、売却すると新たな住まいの確保が必要になるため、慎重に判断する必要があります。また、安定した賃料収入があったり、値上がりが期待できたりする不動産は、投資用物件として保有していてもいいでしょう。
保有しつづけて賃料収入を得るのか、将来的に売却して売却益を狙うのかは、ご自身のライフプランをもとに判断するのがおすすめです。
不動産売却を行う際の注意点
不動産を売却する際は、いくつかの注意点があります。
まず、契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)への対応です。取引した不動産が契約内容に適合していない場合、売主は買主に対して責任を負う可能性があります。
たとえば、雨漏りがないと記載されていたにも関わらず、雨漏りが見つかった場合などです。事前に建物の調査を行い、問題点を把握・開示しておきましょう。
また、境界に関する問題にも注意が必要です。隣地との境界が不明確な場合、売却後のトラブルの原因となる可能性があります。必要に応じて測量を実施し、境界確定を行いましょう。
さらに、売却時の価格設定も重要なポイントです。相場よりも高すぎる価格設定は、売却期間の長期化につながります。一方で、安すぎる価格設定は機会損失になります。複数の不動産会社に査定を依頼し、適正な価格を把握しましょう。
不動産売却に関するよくある質問
不動産売却を検討する際には、様々な疑問や不安が生じてくるものです。ここからは、不動産売却に関するよくある質問に回答します。
Q.不動産売却にかかる税金はいくら?
不動産売却にかかる税金には以下のようなものがあります。物件価格等によって税金の額も変動するため、事前に不動産会社に見積りを作成してもらいましょう。
税金の種類 | 概要 | 金額 |
---|---|---|
印紙税 | 売買契約書に貼付する収入印紙代。契約金額に応じて異なる。 | 例:契約金額1,000万円超~5,000万円以下の場合、1万円(軽減税率適用時) |
登録免許税 | 抵当権抹消登記などにかかる税金。 | 不動産1件につき1,000円 |
譲渡所得税 | 不動産売却益に対して課税される所得税。所有期間により税率が異なる。 | 所有期間5年超:15% 所有期間5年以下:30% |
住民税 | 不動産売却益に対して課税される住民税。所有期間により税率が異なる。 | 所有期間5年超:5% 所有期間5年以下:9% |
復興特別所得税 | 所得税に対して課される特別税。 | 所得税額の2.1%(2037年まで適用) |
Q.不動産を売却するまでにどれくらいかかる?
公益財団法人東日本不動産流通機構の調査によると、販売を開始してから売買契約までにかかる期間の平均は以下のとおりです。
【2023年度】
- 中古マンション:80.1日
- 中古戸建て住宅:83.3日
- 土地:79日
査定依頼から引き渡しまでを含めると半年程度の時間がかかると考えましょう。
Q.不動産を売却する手順は?
不動産売却の基本的な流れは以下の通りです
- 売却の意思決定と必要書類の準備
- 複数の不動産会社に査定を依頼
- 仲介会社を選定し、媒介契約を締結
- 物件の価格設定と販売開始
- 不動産会社による集客
- 購入希望者との価格交渉
- 売買契約の締結
- 決済・引き渡し
各段階で必要な手続きや書類があるため、不動産会社としっかり相談しながら進めていくことが重要です。
Q.古い家は売れる?
築年数が古い家でも売却は可能です。ただし、建物の状態や立地によって売却のしやすさは大きく異なります。
売却方法としては、建物付きのまま売却する方法と、更地にして土地だけを売却する方法があります。どちらが有利かは、立地や周辺相場、建物の状態などを総合的に判断する必要があるでしょう。
また、不動産会社による直接買取といった選択肢もあります。
Q.売れない不動産はどう処分すればいい?
売却が難しい不動産の対処方法として、以下のような選択肢があります。
- 買取業者への売却を検討する
- 売却価格を見直す
- リフォームを行って価値を高める
- 賃貸物件として活用する
- 解体して更地にする
- 土地活用(駐車場・太陽光発電等)を検討する
特に買取業者の利用は、早期売却が必要な場合の有効な選択肢です。ただし、市場価格よりも安い金額での取引となる可能性が高いため、急ぎでない場合は、ほかの選択肢も検討しましょう。
不動産の売却を検討しているならイエカカクがおすすめ
不動産売却には、メリットとデメリットの両面があります。現金化や維持費の削減といったメリットがある一方で、希望価格での売却が難しかったり、様々な費用がかかったりするデメリットもあります。成功の鍵は、売却のタイミングと信頼できる不動産会社の選択です。
そこでおすすめなのが、イエカカクの一括査定サービスです。
- 完全無料でオンラインから依頼可能
- 最大6社の不動産会社と比較検討できます
- 査定依頼はわずか60秒で完了
- 優良な不動産会社のみが参加
- 全国エリアに対応
複数の不動産会社の査定額を比較できるのは、適正価格での売却を実現するための重要な要素です。また、オンラインで完結するため、お近くに不動産会社がない場合でも、気軽に査定を依頼できます。
不動産売却の第一歩として、まずはイエカカクでの一括査定をご活用ください。