不動産相続に関する相談先は?相談内容別に相談先を紹介!

大切な方を亡くされ、不動産の相続に直面された方は、どこに相談すれば良いのかと悩まれているのではないでしょうか。不動産の相続には、名義変更や税金の申告、遺産分割など、さまざまな手続きが必要です。また、相続人同士でトラブルが発生するケースもあり、専門家に相談したほうが良い場面も出てきます。

この記事では、不動産相続の相談を始める前に確認しておくべきことと、相談内容別の適切な窓口を詳しく解説します。この記事を読むことで、自分の状況に合った相談先を見つけ、スムーズに相続手続きを進められるようになるでしょう。

目次

不動産相続の相談をする前に確認しておきたいこと

不動産相続の相談をする際、何も準備せずに相談窓口へ行ってしまうと、必要な情報や書類が不足して明確なアドバイスを得られない可能性があります。効率的に相談を進めるために、以下の3点を事前に確認しておくことが重要です。

  • 遺言書の有無
  • 相続人の確認
  • 故人の資産および負債の把握

これらの情報を整理しておくことで、相談時により具体的なアドバイスを受けることができ、手続きもスムーズに進められます。

遺言書の有無

不動産相続の相談を始める前に、まず遺言書の有無を確認しましょう。遺言書は故人の最終的な意思を示す重要な書類で、財産の分割方法や相続人の指定など、相続に関する重要な事項が記載されています。

遺言書がある場合、原則としてその内容に従って相続手続きを進めることになります。一方、遺言書の内容と異なる遺産分割を行いたい場合は、相続人全員の同意による遺産分割協議が必要です。

遺言書の確認方法としては、まず故人の自宅や貸金庫などを探すことから始めます。また、2020年7月10日以降に作成された遺言書については、法務局の遺言書保管制度を利用している可能性もあるため、最寄りの法務局で確認することをおすすめします。公正証書遺言の場合は、公証役場で有無を確認することが可能です。

相続人

相続人の確認は、相続手続きを進める上で不可欠な作業です。相続人が確定していないと、遺産分割の協議を始めることができず、相続手続き全体が滞ってしまう可能性があります。相続人となるのは、まず配偶者、そして血族の中で優先順位の高い人となります。具体的な順位は以下の通りです。

  • 第1順位:子および代襲相続人(孫)
  • 第2順位:直系尊属(両親、祖父母)
  • 第3順位:兄弟姉妹および代襲相続人(甥・姪)

相続人の確認方法としては、故人の戸籍謄本を取得し、親族関係を調査します。戸籍謄本は、故人の本籍地がある市区町村役場で取得できます。また、相続開始時点まで遡って相続人を特定する必要があるため、除籍謄本や改製原戸籍なども併せて取得しておきましょう。

故人の資産および負債

相続財産の全体像を把握することは、相続税の計算や遺産分割の協議を行う上で重要です。資産には不動産や預貯金などのプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も含まれます。

プラスの財産の例
  • 不動産(土地、建物)
  • 預貯金、現金
  • 有価証券(株式、投資信託など)
  • 生命保険の死亡保険金
  • 自動車、貴金属、骨董品など
マイナスの財産の例
  • 住宅ローン等の借入金
  • 未払いの税金
  • 医療費や介護費用の未払い分

これらの財産を把握するためには、以下の書類を収集しましょう。

  • 不動産の登記簿謄本
  • 固定資産評価証明書
  • 預貯金通帳やキャッシュカード
  • 生命保険証券
  • 借入金の返済予定表
  • 確定申告書の控え など

収集した書類は整理してファイリングし、相談時に提示できるよう準備しておくことをおすすめします。

不動産相続に関する相談先は?

不動産の相続では、相談内容によって最適な相談先が異なります。例えば、相続税について相談したい場合は税理士に、相続人間でトラブルが発生している場合は弁護士に相談するなど、専門分野に応じて適切な窓口を選ぶ必要があります。以下の表で、主な相談先と相談内容を以下にまとめました。

相談先概要
市役所無料で一般的な相談が可能。専門家による相談会も定期的に開催
弁護士相続人間の紛争解決、調停・裁判対応
税理士相続税の計算、申告手続き、節税対策
司法書士・法務局不動産の名義変更、相続登記
行政書士遺産分割協議書等の作成、各種申請手続き
不動産会社相続不動産の売却、賃貸、活用方法の提案

【相談内容別】不動産相続に関する相談先

それでは、各相談先について具体的にどのような場合に相談すべきか、どのようなサポートが受けられるのかを詳しく見ていきましょう。相談内容に応じて、最適な専門家を選ぶための指針としてください。

相続全般に関する相談は「市役所」

不動産相続について、まずはどこに相談すべきか迷った場合は、市区町村役所の相談窓口を利用することをおすすめします。市役所では、専門の相談員が無料で相続全般に関する相談に応じてくれます。市役所での相談のメリットは、以下の点です。

  • 相談料が無料
  • 中立的な立場からアドバイスが受けられる
  • 定期的に専門家(弁護士・税理士など)による相談会を開催
  • 必要に応じて専門家や関係機関を紹介してくれる

相談窓口は、居住地の市区町村役所で利用可能です。ただし、相談時間は通常20〜30分程度と限られており、具体的な手続きの代行などは行っていないため、詳細な相談は各専門家に依頼する必要があります。

相続に関するトラブルの相談は「弁護士」

相続人同士での話し合いがまとまらない、遺産分割で揉めているなど、相続に関するトラブルが発生した場合は、弁護士への相談が適切です。弁護士は法律の専門家として、トラブル解決のための具体的な対応策を提示してくれます。

弁護士に相談・依頼できる主な内容
  • 遺産分割協議の進め方に関する助言
  • 遺産分割調停・審判の代理
  • 相続放棄の手続き
  • 遺留分減殺請求への対応
  • 相続人間の交渉代理

弁護士を探す際は、各地の弁護士会や日本弁護士連合会のウェブサイトで相続に詳しい弁護士を検索できます。初回相談は無料で受け付けている事務所も多いため、複数の弁護士に相談して、自分に合った弁護士を選ぶことをおすすめします。

相続の手続きや権利に関する相談は「行政書士」

不動産の名義変更(相続登記)や、相続に関する各種手続きについては、司法書士に相談するのが適切です。特に2024年4月からは相続登記が義務化されており、期限内に手続きを行う必要があるため、早めの相談がおすすめです。

司法書士に相談・依頼できる主な内容
  • 不動産の相続登記手続き
  • 法定相続人の確認・調査
  • 遺産分割協議書の作成
  • 相続手続きに必要な書類の取得代行
  • 相続に関する説明や助言

司法書士を探す場合は、日本司法書士会連合会のウェブサイトで検索できます。また、法務局でも相続登記に関する相談を無料で受け付けていますので、簡単な相談であれば法務局の窓口を利用するのも一つの方法です。

相続における税金に関することは「税理士」

相続税の計算や申告、節税対策については、税理士に相談することをおすすめします。相続税は複雑な計算が必要で、申告期限も相続開始を知った日から10ヶ月以内と決められているため、専門家のサポートを受けることで、適切な申告と納税が可能になります。

税理士に相談・依頼できる主な内容
  • 相続財産の評価
  • 相続税の試算と申告
  • 相続税の納税資金対策
  • 相続税の節税方法の提案
  • 生前贈与を含めた相続税対策

税理士を探す際は、各地の税理士会のウェブサイトで検索できます。相続税の申告実績が豊富な税理士を選ぶことが重要で、特に不動産の評価方法によって相続税額が大きく変わる可能性があるため、不動産評価に詳しい税理士を選ぶことをおすすめします。

相続に関する書類作成は「行政書士」

相続に関する各種書類の作成や手続きについて相談したい場合は、行政書士がよい相談相手となります。行政書士は「街の法律家」とも呼ばれ、一般の方にとって比較的相談しやすい専門家です。

行政書士に相談・依頼できる主な内容
  • 遺産分割協議書の作成
  • 相続人調査と戸籍収集
  • 相続関係説明図の作成
  • 各種届出書類の作成
  • 相続手続き全般の支援と助言

実際の相談先を探す場合は、日本行政書士会連合会のウェブサイトで地域ごとに検索できます。料金は事務所によって異なるため、複数の事務所を比較するのが費用負担を抑えるコツです。

相続した不動産の活用方法・売却の相談は「不動産会社」

相続した不動産を売却したい、あるいは賃貸として活用したいといった場合は、不動産会社への相談が適切です。不動産の価値評価や市場動向を踏まえた具体的なアドバイスを受けることができます。

不動産会社に相談・依頼できる主な内容
  • 不動産の査定評価
  • 売却や賃貸の市場調査
  • 物件の有効活用方法の提案
  • リフォームや解体の必要性判断
  • 売却や賃貸の仲介

不動産会社を選ぶ際は、複数の会社に相談して比較検討することをおすすめします。特に売却を検討する場合は、一社だけでなく複数社から査定を受けることで、より適切な価格での取引が期待できます。

土地の登記や権利に関することは「司法書士」または「法務局」

不動産の登記手続きや権利関係について相談したい場合は、司法書士か法務局への相談が適切です。特に2024年4月からの相続登記義務化に伴い、期限内に適切な手続きを行う必要があります。

相談・依頼できる主な内容
  • 司法書士の場合
    • 相続登記手続きの代行
    • 登記関係書類の作成
    • 権利関係の確認と助言
  • 法務局の場合
    • 登記手続きの案内
    • 必要書類の説明
    • 登記簿の見方相談

法務局での相談は無料で利用できますが、具体的な手続きの代行はできません。手続きを依頼する場合は司法書士に依頼することになります。

土地の敷地や境界に関することは「土地家屋調査士」

相続した土地の境界が不明確、隣地との境界について争いがある、または正確な土地の測量が必要な場合は、土地家屋調査士への相談が適切です。土地家屋調査士は、土地や建物の表示に関する登記の専門家です。

土地家屋調査士に相談・依頼できる主な内容
  • 土地の境界確認
  • 土地・建物の測量
  • 境界トラブルの解決支援
  • 分筆・合筆などの登記手続き
  • 建物の表題登記

土地家屋調査士を探す場合は、日本土地家屋調査士会連合会のウェブサイトで地域ごとに検索できます。特に古い土地や、これまで測量が行われていない土地の場合は、正確な測量と境界の確定が重要になるため、早めの相談をおすすめします。

相続した不動産の売却ならイエカカクがおすすめ

不動産の相続に関する相談先について、専門家ごとの役割と選び方をご紹介してきました。特に相続した不動産の売却を検討されている方には、一括査定サービス「イエカカク」の活用をおすすめします。

土地家屋調査士に相談・依頼できる主な内容
  • 最大6社の不動産会社から一括で査定が取得可能
  • 入力はわずか60秒程度で完了
  • 優良な不動産会社のみを厳選して紹介
  • 査定は完全無料
  • 全国の物件に対応可能

イエカカクを利用することで、複数の不動産会社の査定額を比較でき、より良い条件での売却が期待できます。また、実績のある優良企業のみが登録されているため、安心して相談することができるでしょう。

相続した不動産の売却は、相続税の納付資金確保や将来の管理負担軽減のために検討される方も多くいます。売却を検討される場合は、まずイエカカクで査定を受けることで、具体的な検討を始めることができます。

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