マンションの売却を考えているものの、クリーニングを実施すべきか迷っている方も多いのではないでしょうか。本記事では、マンション売却時のハウスクリーニングについて、必要なケースや費用相場、業者選びのポイントまで詳しく解説します。
効果的なクリーニングの判断基準を知ることで、売却価格を最大限に高められる可能性があります。これから売却を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
マンション売却時にハウスクリーニングは必要?
マンションを売却する際、ハウスクリーニングを行う法的な義務はありません。ただし、物件の印象は売却価格に大きく影響するため、自主的にクリーニングを実施するケースもあります。
特に内覧時の第一印象は購入判断を大きく左右するため、状況に応じてハウスクリーニングを検討する価値はあるでしょう。
ここからは、具体的にどのようなケースでハウスクリーニングが効果的なのか、また不要なのかを解説します。
ハウスクリーニングを行った方が良いケース
ハウスクリーニングを実施した方が良いケースとして、以下の3つが挙げられます。
- 部屋の汚れが目立つ
- 建物の築年数が浅い
- 少しでも早く売却したい
それぞれの状況について詳しく解説します。
部屋の汚れが目立つ
キッチンや浴室、トイレなどの水回りに頑固な汚れが付着している場合は、ハウスクリーニングの実施をおすすめします。
汚れが目立つ状態で内覧を行うと、値引き交渉の材料にされてしまう可能性があるためです。
特に換気扇やレンジフードの油汚れ、浴室の黒カビなどは、素人の掃除では完全に落とすことが難しいです。プロによるクリーニングで室内を清潔な状態にすることで、内覧者に良い印象を与えられるでしょう。
建物の築年数が浅い
築年数が5年程度と浅いマンションの場合は、ハウスクリーニングを実施する価値が高いと言えます。
なぜなら、築浅物件を検討する購入者は、購入後すぐに住める状態を期待しているからです。清潔感のある室内状態を保っておくことで、購入検討者の期待に応えられます。
少しでも早く売却したい
早期売却を希望する場合は、ハウスクリーニングの実施をおすすめします。物件が長期間売れ残ってしまうと「売れ残り物件」というイメージが付いてしまい、さらに売却が難しくなってしまうためです。
内覧時に清潔感のある室内を見てもらうことで、購入意欲を高められます。また、近隣の類似物件と比較した際にも、クリーニング済みという点が差別化要因となり、早期売却につながる可能性が高くなります。
ハウスクリーニングをしなくても良いケース
一方で、以下のようなケースではハウスクリーニングが不要な場合があります。
- 部屋がきれい
- 建物の築年数が古い
それぞれの状況について見ていきましょう。
部屋がきれい
日頃から掃除を行き届いており、室内に目立った汚れや不具合がない場合は、ハウスクリーニングは不要です。水回りや天井など手の届きにくい場所も含めて、しっかりと手入れができている状態であれば、自分で最終的な掃除を行うだけで十分でしょう。
ただし、不安がある場合は、気になる箇所に絞ってハウスクリーニングを依頼してみてもいいでしょう。
建物の築年数が古い
築年数が30年程度と経過している物件の場合、ハウスクリーニングの効果は限定的です。このような物件を検討する購入者の多くは、購入後にリフォームやリノベーションを予定していることが多いためです。
また、設備も老朽化していることが多く、クリーニングだけでは解決できない課題を抱えているケースもあります。そのため、大がかりなハウスクリーニングを行うよりも、日常的な掃除程度に留めておく方が賢明でしょう。
マンション売却時にハウスクリーニングを行うメリット
マンションの売却時にハウスクリーニングを実施すると、以下のようなメリットがあります。
- 値引き交渉される可能性を減らせる
- 比較的早くマンションが売れやすい
- 売れ残りのリスクを下げられる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
値引き交渉される可能性を減らせる
不動産売買において、買主側は少しでも安く購入したいと考えるのが一般的です。そのため、室内に汚れや傷みが目立つ場合、それらを理由に値引き交渉を持ちかけてくることがあります。
ハウスクリーニングを実施して室内を清潔な状態に保つことで、このような値引き要求のリスクを軽減できます。また、清潔感のある室内は購入希望者の購買意欲も高めるため、適正価格での売却が期待できるでしょう。
比較的早くマンションが売れやすい
ハウスクリーニングを行うことで、物件の魅力を最大限にアピールできます。内覧に訪れる購入検討者は、実際の居住をイメージしながら物件を見学します。清潔で手入れの行き届いた室内は、購入意欲を高める大きな要因となるでしょう。
また、近隣の類似物件と比較した際に、クリーニング済みという点が差別化要因となり、早期成約につながる可能性が高まります。さらに、物件写真の見栄えも良くなるため、より多くの内覧希望者を集められます。
売れ残りのリスクを下げられる
物件の第一印象を良好に保つことは、売れ残りのリスクを大きく低減させる方法の一つです。
マンション売却において、長期間売れ残ってしまうことは大きなデメリットとなります。「売れ残り物件」というレッテルが貼られると、「何か問題があるのではないか」という不安を購入検討者に抱かせてしまう可能性があるためです。
ハウスクリーニングによって室内を清潔に保つことで、購入検討者が集まりやすくなり、売れ残るリスクを下げられます。また、売却期間が長引くことによる維持費の負担も抑えられるでしょう。
マンション売却時にハウスクリーニングを行うデメリット
マンション売却時のハウスクリーニングには、メリットがある一方で以下のようなデメリットも存在します。
- 費用がかかる
- ハウスクリーニングしたこと自体が必ず売却価格に繋がるとは限らない
具体的に見ていきましょう。
費用がかかる
ハウスクリーニングを業者に依頼する際は、相応の費用が発生します。依頼箇所や面積が増えるほど費用も増えるため、売却時の負担となってしまいます。
また、汚れの程度によっては追加料金が発生する可能性もあるため、予算管理が重要です。売却時には他にも様々な費用がかかるため、最終的な手残り金額を踏まえてハウスクリーニングをすべきか判断しましょう。
ハウスクリーニングしたこと自体が必ず売却価格に繋がるとは限らない
ハウスクリーニングを実施しても、その費用が必ずしも売却価格に反映されるわけではありません。室内の清潔感は購入検討者の印象に影響を与えますが、最終的な売却価格は立地や築年数、市場動向など、様々な要因によって決定されるからです。
また、リフォームを前提に購入を検討している買主にとっては、ハウスクリーニングの価値をあまり見出さない場合もあります。つまり、クリーニング費用を投資として考えた場合、必ずしも期待通りのリターンが得られるとは限らないことを理解しておく必要があります。
マンション売却時のハウスクリーニング費用相場
マンション売却時のハウスクリーニング費用は、依頼する箇所や広さによって大きく変動します。具体的な費用は以下の表をご覧ください。
【間取り別の費用相場】
間取り | 費用相場 |
---|---|
ワンルーム・1K | 15,000円~30,000円 |
1DK、1LDK | 30,000円~40,000円 |
2DK、2LDK | 30,000円~70,000円 |
3DK、3LDK | 50,000円~80,000円 |
4DK、4LDK | 70,000円~10万円 |
【箇所別の費用相場】
クリーニング箇所 | 費用相場 |
---|---|
キッチン | 12,000円~20,000円 |
浴室 | 11,000円~18,000円 |
トイレ | 6,000円~10,000円 |
洗面所 | 6,000円~10,000円 |
エアコン | 8,000円~15,000円 |
換気扇・レンジフード | 7,000円~13,000円 |
なお、これらの費用はあくまでも目安です。汚れの程度や作業の難易度によって変動する可能性があります。また、空室の場合は安くなることもあるため、複数の業者から見積もりを取るのがおすすめです。
マンション売却時のハウスクリーニング費用を抑えるポイント
マンション売却におけるハウスクリーニングは、売却活動をスムーズに進めるために重要な投資ですが、費用負担は決して小さくありません。しかし、以下のポイントを押さえることで、費用を抑えられます。
- 自分でできるところは掃除をしておく
- まとめて依頼をする
- 閑散期に依頼する
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
自分でできるところは掃除をしておく
日常的に使用している玄関やリビング、寝室など、通常の清掃道具で対応できる場所は、自分で事前に掃除をしておくきましょう。床や壁のホコリ取り、窓ガラスの拭き掃除など、一般的な掃除は自分で行えます。
プロの業者に依頼する前に、できる範囲で掃除をしておくことで、作業範囲を必要最小限に絞れます。また、自分で掃除をすることで、補修や修繕が必要な箇所も見つけやすくなるでしょう。
まとめて依頼をする
キッチン、浴室、トイレなど、複数箇所の清掃が必要な場合は、バラバラに依頼するのではなく、まとめて依頼しましょう。多くのハウスクリーニング業者は、複数箇所をセットで依頼する場合にお得なパックプランを用意しています。
たとえば、水回りパックや全体クリーニングパックなどを利用することで、個別に依頼するよりも費用を抑えられます。
閑散期に依頼する
ハウスクリーニング業界にも繁忙期と閑散期が存在します。引っ越しが多い3月や大掃除シーズンの12月、エアコンクリーニングの需要が高まる6月頃は特に混み合い、料金も割高になりがちです。
一方で、8月末から11月初旬にかけては比較的空いており、料金も抑えめになっています。時間的な余裕がある場合は、このような閑散期に依頼することで、通常期と比べて費用を抑えられる可能性があります。
ハウスクリーニング業者の選び方
ここからはハウスクリーニング業者の選び方を3つ紹介します。
- 複数の業者を比較検討して選ぶ
- 賠償責任保険に入っている業者を選ぶ
- 口コミで選ぶ
それぞれ見ていきましょう。
複数の業者を比較検討して選ぶ
ハウスクリーニング業者によって、料金体系や提供するサービスの内容は大きく異なります。そのため、3社以上の業者から見積もりを取得し、比較検討するのがおすすめです。
見積もりを比較する際は、基本料金だけでなく、追加料金の有無や作業範囲なども確認しましょう。
また、見積もり時の対応や質問への回答の丁寧さなども、業者選びの重要な判断材料です。一括見積もりサービスを利用すれば、効率的に複数の見積もりを取得できます。
賠償責任保険に入っている業者を選ぶ
ハウスクリーニング作業中の事故や物損は、珍しいことではありません。たとえば、家具を動かす際のフローリングの傷付きや、エアコンクリーニング時の故障など、様々なトラブルが発生する可能性があります。
そのため、万が一の事故に備えて、賠償責任保険に加入している業者を選ぶことが重要です。保険加入業者であれば、作業中の事故による損害を適切に補償してもらえます。見積もり依頼の際には、保険の加入状況や補償内容について確認しておきましょう。
口コミで選ぶ
実際のサービスの質は、利用者の声から判断できます。インターネット上の口コミサイトやGoogleマップのレビューなどを参考に、過去の利用者の評価をチェックしましょう。
特に、清掃の丁寧さ、時間通りの作業完了、スタッフの対応など、具体的な評価コメントは参考になります。ただし、極端に良い評価や悪い評価には注意が必要です。
複数の口コミを総合的に判断し、信頼できる業者を見極めていきましょう。また、知人からの紹介があれば、より確実な選択につながります。
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マンション売却時のハウスクリーニングは、物件の価値を最大限に引き出すための重要な要素です。しかし、業者選びから費用の検討まで、様々な判断が必要になってきます。まずは物件の適正価格を把握し、プロの意見を聞くことから始めてみましょう。
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